「オーナー指定条件です」と言われた
その説明で十分かを確認する方法
消毒代・24時間サポート・鍵交換などを断ろうとすると「オーナーの指定条件なので外せません」と言われることがあります。 この説明が本当に有効かどうか、確認すべきことを整理します。
「オーナー指定」は確認が必要な説明です
オーナーが希望していても、任意サービスを借主に強制する法的根拠にはなりません。また「オーナー指定」という説明自体が事実かどうかも、確認する余地があります。
1. 「オーナー指定」とは何を意味するか
「オーナー指定条件」とは、物件の貸主(オーナー)が入居条件として特定のサービスや業者の利用を希望しているという意味で使われます。
本当にオーナーが指定していることもあります。しかし「オーナーが希望している」と「借主がそれに同意する法的義務がある」は別の話です。また、この説明が業者の都合で使われているケースも少なくありません。
「オーナー指定」がよく使われる費目
- 消毒・抗菌処理費
- 24時間サポート・緊急サポート
- 鍵交換(業者指定)
- クリーニング業者の指定
- 火災保険(代理店の指定)
2. オーナー指定は借主を法的に拘束するか
結論から言うと、「オーナーが希望している」という事実だけでは、任意サービスへの支払義務は生じません。
宅建業法第47条は、業者が「重要な事実」を告知せずに契約させることや、虚偽の説明を禁止しています。「オーナー指定だから必須」という説明が事実と異なる場合、またはそれが任意サービスであるという重要な事実を隠している場合、宅建業法上の問題が生じる可能性があります。
また、消費者契約法では、事実と異なることを伝えて締結させた契約の取消しが認められる場合があります。
3. 本当にオーナー指定かを確認する方法
以下の確認をメールで依頼することで、説明の実態が見えてきます。
「オーナーからの指定書面を確認できますか」
本当にオーナーが指定しているなら、その旨を示す書面が存在するはずです。「確認できない」という回答は、指定の実態が不明確であることを示します。
「入居の可否に関わる条件として重説に記載されていますか」
重要事項説明書に「入居必須条件」として記載があるか確認します。記載がなければ、入居条件として成立していない可能性があります。
「この費用を断った場合、入居できなくなりますか」
任意サービスを断ったことを理由に入居を拒否することは宅建業法上認められません。「できなくなる」という回答は記録しておく価値があります。
4. 確認後の動き方
書面が出てきた場合
その内容を確認します。「オーナーが希望する」と「入居の必須条件」は別です。内容次第では、任意である旨の説明を求めた上でフリーレントへの転換交渉に移ります。
書面が出てこない・回答が曖昧な場合
「確認できませんでした」という事実を記録します。この場合、「オーナー指定」という説明が根拠不明であることが明確になります。消費者センターや行政窓口への相談材料になります。
「入居できない」と言われた場合
その発言をメールで記録します。任意サービスを断ったことを理由に入居を断ることへの行政的問題を示すやり取りとして、都道府県の宅建業法担当部署に相談できます。
法的根拠・参考資料
宅地建物取引業法第35条第1項(重要事項説明義務)
「宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、次に掲げる事項について、取引の相手方に説明させなければならない」——費用の性質(任意か必須か)・支払先・根拠はこの説明義務の対象に含まれる。「オーナー指定」の名目だけでは説明が足りない。
宅地建物取引業法第47条第1号(禁止行為)
「宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をしてはならない。一 …不実のことを告げる行為」——任意サービスを「オーナー指定の必須条件」として告げることは、不実告知に該当し得る。
消費者契約法第4条第1項第1号(不実告知による取消し)
「重要事項について事実と異なることを告げること」により誤認して締結した契約は取り消すことができる。任意サービスを必須条件と信じさせて締結した場合これに該当し得る。
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