賃貸費用チェッカーβ
お役立ち記事
断られた後の対処鍵交換代

鍵交換「義務なので断れません」と言われた
貸主負担が原則の根拠と実施確認の方法

鍵交換代を断ろうとしたら「セキュリティ上の義務です」と言われた。 「義務」の根拠はあるのか、本当に交換されているのか、費用負担の原則から整理します。

原則:鍵交換費用は貸主負担

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、入居時の鍵交換は貸主が行うことが望ましいとされています。借主負担とするには合理的な説明が必要です。

1. 鍵交換費用の負担原則

国土交通省のガイドラインでは、入居時の鍵交換は「貸主が行うことが望ましい」とされており、費用も貸主負担が原則です。前の入居者が鍵を複製しているリスクへの対策は、物件を貸し出す貸主側が管理すべき問題だからです。

借主負担の特約が有効とされる場合もありますが、その場合でも「特約への同意が有効であること」「実際に交換が行われたこと」の両方が必要です。

2. 「義務」という説明の実態

「セキュリティ上義務です」という説明は、法律上の義務ではなく業者の方針や判断を指していることがほとんどです。

法的義務ではない

鍵交換を借主が負担することを定めた法律はありません。「義務」は業者の言い方であり、法的根拠がある義務とは異なります。

「義務」の根拠を確認できる

「どの法令・規定に基づいて借主の義務とされているか」を確認することは正当な行為です。根拠を示せない場合、義務という説明の実態が問われます。

実施されていない場合がある

「鍵交換代」として費用を請求されても、実際には鍵が交換されていないケースが報告されています。費用を払う以上、実施の確認をする権利があります。

3. 本当に交換されているか確認する方法

鍵交換の実施を確認するために、以下の資料をメールで請求できます。

確認できる資料

  • 鍵交換を行った日付と施工業者名
  • 交換後のシリンダー型番または鍵番号
  • 施工業者への支払領収書(業者側の支払い証明)
  • 前入居者の退去後に交換が行われたことの確認

これらを確認できない場合、「交換が行われた」という事実自体が不明確です。第三者(行政・消費者センター)に説明できる根拠のない費用請求として記録に残すことができます。

4. 返しのパターンと対応

「セキュリティ上の義務です」

「どの法令・規定に基づいて借主負担の義務とされているかを書面で確認させてください。また、交換の実施を証明できる資料も合わせてお願いします」と返しましょう。

「前の入居者が鍵を返さないかもしれないから必要」

それは貸主側がリスク管理すべき問題です。「そのリスクは本来、物件を管理する貸主側が負担すべき性質のものと認識しています。借主が負担する根拠をご説明ください」と確認しましょう。

「特約に書いてあります」

特約の有効性は説明・承諾の実態によります。「この特約について任意サービスであることの説明を受けましたか。いつ・どのような形で説明がありましたか」と確認しましょう。

5. 払う場合でも記録しておくこと

交渉が難しく費用を払う場合も、以下を記録または確認しておくと退去時に役立ちます。

交換後の鍵の型番・鍵番号を書面で受け取る

施工日と施工業者名を確認する

「入居時に新品に交換された」旨の書面を受け取る

退去時のクリーニング特約との関係(二重負担になっていないか)を確認する

鍵交換代を含む見積書を診断する

確認すべき論点 + 送信用メール文面を生成 980円

診断して確認メールを生成する →

法的根拠・参考資料

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」平成23年8月——鍵交換費用の負担

「鍵の取替え(破損、鍵紛失の場合は除く)入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当と考えられる」——通常の退去・入居の場合、鍵交換は本来貸主側が行うべき費用と位置づけられている。

消費者契約法第10条(不当条項の無効)

ガイドラインが定める原則(貸主負担)と異なる特約を借主に課す場合、その特約の有効性には消費者契約法上の審査が及ぶ。国交省ガイドラインの有効要件①〜③を満たさない特約は無効になり得る。

宅地建物取引業法第47条第1号(禁止行為)

「義務です」として鍵交換費用を説明し、本来の負担原則や特約の有効要件を告げないことは、不実告知または重要事実の不告知として問題になり得る。

関連記事