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手口解説名目すり替え

見積書の費目名が変わっていた?「仲介手数料→事務手数料」名目すり替えの手口

見積書・重要事項説明書・請求書の間で、費目の名前が変わっていることがあります。「仲介手数料」が「書類作成費」に、「退去時クリーニング」が「入居前清掃費」に。この名目すり替えは書類を並べることで確認できます。

結論:書類を並べて費目名・金額・発行者を照合する

見積書・重要事項説明書・請求書・領収書の4点で費目名・金額・発行者名が一致しているかを確認することができます。不整合がある場合はその理由の説明を求めることができ、それ自体が記録になります。

1. なぜ名目が変わるのか

費目名を変える理由にはいくつかのパターンがあります。

上限規制の回避

仲介手数料には法令上の上限があります(借主・貸主合計で賃料1ヶ月分)。 この上限を超えた費用を「書類作成費」「事務手数料」などの別名目にすることで、 上限を超えた分を請求しようとするケースがあります。

断られにくくするための言い換え

「消毒代」は断られやすいため「室内クリーニング」「安心施工」などに変えることで、 借主が必要なものと思いやすくなる効果があります。

書類作成の単純ミス(善意の場合)

意図的でなく、担当者の記載ミスや社内での名称変更によって 書類間の名目が揃っていないケースもあります。 いずれの場合でも、不整合があれば説明を求めることができます。

2. よくある名目すり替えのパターン

仲介手数料(上限あり)書類作成費・事務手数料

仲介手数料の上限(0.5〜1ヶ月)を超えた分を別名目で請求

クリーニング費(退去時)室内清掃費(入居前)

同じ清掃を入居前・退去時の両方で請求して二重取り

消毒代除菌・抗菌処理費 / 消臭施工費

断られにくい名目に変えて同じ費用を請求

鍵交換代(未実施)セキュリティ設備費 / 鍵管理費

実施していない鍵交換を別名目でカモフラージュ

名目の不整合を含む見積書を診断する

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3. 書類間の照合チェックリスト

手元にある書類を並べて以下を確認します。

  • 1見積書・重要事項説明書・請求書・領収書で同じ費目を指す名前が一致しているか
  • 2費目の金額が書類間で一致しているか
  • 3発行者名(仲介会社・管理会社・施工業者)が書類間で一致しているか
  • 4仲介手数料とは別に「書類作成費」「事務手数料」が加わっていないか
  • 5入居前と退去時の両方でクリーニング費が計上されていないか
  • 6重説への記載と実際の請求に新たな費目が追加されていないか

不整合を見つけたら

「見積書では〇〇という名目でしたが、請求書では△△になっています。 同じ費用を指していますか?名目が変わった理由を教えてください」と メールで確認しましょう。 不整合の指摘に答えられない・はぐらかされる場合は、それが記録になります。

4. 業者の返しパターンと対処

書類作成費は仲介手数料とは別のサービス料です

「仲介手数料に含まれない、別途発生する書類作成の具体的な内容を教えてください。また、この費用が発生する根拠となる契約書・重説の該当箇所をご指示ください」と返しましょう。

名前が違うだけで同じものではありません

「それぞれが別の費用であれば、それぞれについて何の対価かをご説明ください。内容が重複していないかを確認したいと思います」と伝えましょう。

(書類を確認してもらいましたが、対応してもらえない)

不整合の事実と、説明を求めたが得られなかった経緯をメールで記録に残しましょう。宅建業法担当部署(都道府県)や消費生活センターへの相談材料になります。

5. 参考:関連する判例・行政処分

東京地方裁判所 令和4年6月22日判決

業者が「新規契約広告宣伝費」という名目で別途受領した費用について、 実質的に仲介手数料の上限を超えた受領と判断し、不当利得として 約48万円・42万円の返還を命じた。費目名が何であれ 受領の実質が仲介報酬かどうかを判断した事例。

東京地方裁判所 平成27年7月9日・平成25年6月26日判決

広告費名目での別途受領について、仲介手数料との合算で上限を超えるとして 不当利得・不法行為を認めた事例。費目名の変更が上限回避の手段として 問題視された裁判例。

東京高等裁判所 昭和57年9月28日判決

仲介業者が広告費を別途受領するには、①特別な広告の実施、 ②依頼者からの事前依頼、③依頼者の承諾が必要と判示した。 名目すり替えによる費用請求に対し「事前説明・承諾の有無」を問う際の根拠として参照できる。

行政処分事例:株式会社カーサプランニング(神奈川県 令和7年9月12日)

複数の賃貸借契約において、重要事項説明書と請求書で費目名・金額が異なる 複数の契約書を使用し、借主に不利益を与えた事案で業務停止処分を受けた。 書類間の名目・金額不一致が行政処分の根拠になった実例。

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