入居前クリーニング費は誰が払う?貸主負担が原則の根拠と敷金との二重負担を避ける方法
賃貸の見積書に「室内クリーニング費」「ハウスクリーニング代」として数万円が計上されることがあります。入居前の清掃は貸主負担が原則とされており、退去時清掃との二重負担になっていないかの確認が重要です。
結論:入居前清掃はガイドライン上は貸主負担・二重負担の確認が重要
国土交通省のガイドラインでは、入居前の清掃は貸主が行うべき管理義務の観点から、貸主負担が原則とされています。加えて、入居時に清掃費を払い、退去時にも敷金から清掃費を差し引かれる場合、二重負担になっているか確認が必要です。
1. ガイドライン上の原則
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、入居前の清掃は居室を居住可能な状態で借主に引き渡すための措置であり、 貸主の管理義務の観点から貸主負担が妥当とされています。
根拠となる考え方
民法第606条に基づき、貸主は賃貸物件を使用・収益に適した状態で借主に引き渡す義務があります。 入居前の清掃はこの義務の一環と考えられており、借主が負担する場合は特別な合意(特約)が必要です。
特約に記載がある場合でも、「清掃を借主負担とする理由の説明があったか」「借主が理解した上で同意したか」という点が、特約の有効性に関わってきます。
2. 敷金との二重負担を確認する
最も重要なのは、入居時と退去時の両方で清掃費を払う「二重負担」になっていないかの確認です。
二重負担になるパターン
入居時に「クリーニング費 ¥30,000」を払い、退去時にも敷金から「ハウスクリーニング代」が差し引かれる場合。 実質的に同じ内容の費用を2回払うことになります。
確認すべき質問
- 今回の清掃費は入居前の清掃か、退去後の清掃か
- 退去時にも敷金からクリーニング費が差し引かれる契約か
- 入居時清掃と退去時清掃の関係を書面で説明してもらえるか
3. 入居前清掃と退去時清掃の違い
4. 確認すべきポイント
- 1今回の清掃費は「入居前」の清掃費か「退去時」の清掃費か
- 2借主が負担する根拠(ガイドライン上は貸主負担が原則のため)
- 3退去時にも別途清掃費が差し引かれる場合、二重負担にならないか
- 4実際の清掃業者・実施日の確認
5. 業者の返しパターンと対処
「特約に書いてあります」
「記載は確認しましたが、入居前清掃を借主が負担する理由の説明を受けた記憶がありません。また退去時の清掃との二重負担にならないか確認させてください」と伝えましょう。
「退去時の清掃は別の話です」
「では入居時に清掃費をいただく場合、退去時の清掃費は改めて請求されない理解でよいですか。書面で確認させてください」と続けましょう。
「全員払っていただいています」
「一般的な慣行であることは理解しますが、ガイドライン上の原則と、今回借主が負担する根拠を確認させてください」と返しましょう。
参考・出典
- 1.「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について(再改訂版・平成23年) — 国土交通省 住宅局
- 2.「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」参考資料 — 国土交通省 住宅局参事官(令和5年3月)
- 3.民法 第606条(賃貸人による修繕等) — e-Gov 法令検索
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