更新料を払わないと契約を更新しない・退去させると言われた
「更新料を払わないと退去させる」と言われることがあります。しかし更新料不払いを理由に借主を強制退去させることはできません。借地借家法の正当事由・法定更新の仕組みを理解した上で対処することが重要です。
結論:更新料不払いだけで強制退去はできない。正当事由が必要
借地借家法28条では、貸主が更新を拒絶するには「正当事由」が必要です。更新料の不払いのみを理由とした契約終了・退去請求は正当事由にはなりません。ただし有効な更新料特約がある場合、更新料の支払義務は別途生じる可能性があります。
よくある誤解
よくある誤解
「更新料を払わなければ即退去させられる」
「更新料は法律で払う義務がある」
「法定更新になっても更新料は必ず発生する」
更新と退去の法的な整理
| 論点 | 法的な整理 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 更新拒絶の条件 | 正当事由が必要(借地借家法28条)。更新料不払いのみでは正当事由にならない。 | 貸主が主張する正当事由の内容を確認する |
| 更新料の支払義務 | 有効な特約がある場合に生じる(最判H23.7.15)。特約の有効性の確認が必要。 | 更新料特約の文言・金額の合理性 |
| 法定更新後の更新料 | 特約の文言次第で異なる。法定更新後は更新料が発生しないとする判例もある。 | 特約に「法定更新時も」という文言があるか |
脅しとして使われる場合の対処
「払わなければ退去させる」という脅しへの対処
- 1.「退去させる根拠(正当事由)を書面でご提示ください」と返す
- 2.その返答の内容を記録する(メール・録音等)
- 3.正当事由の説明がない場合、その事実を記録する
- 4.更新料の支払義務については特約の文言を確認する(支払義務と退去の問題は切り離す)
- 5.消費者センター・弁護士への相談も選択肢
業者の返し別の対処
業者が言うこと
「更新料を払わないと契約を終了させます」
実態
更新料不払いだけを理由に契約を一方的に終了・退去させることはできません。普通賃貸借契約の更新拒絶には正当事由が必要(借地借家法28条)です。
返し方
「更新料の支払いについて確認しています。契約の終了には正当事由が必要であり、更新料不払いのみを理由とした退去請求の根拠を確認させてください。」
業者が言うこと
「契約書に更新料は必須と書いてあります」
実態
有効な更新料特約がある場合、更新料の支払義務が生じ得ます。ただしそれと「払わなければ退去させる」は別の問題です。支払義務の有無と退去の強制は切り離して整理する必要があります。
返し方
「更新料特約の内容は確認しています。ただ、更新料不払いと退去の強制は法的に別の問題と整理しています。更新料について確認すべき点を教えてください。」
業者が言うこと
「法定更新でも更新料は発生します」
実態
法定更新後の更新料については、特約の文言次第で判断が異なります。「更新の際に」という文言が、合意更新のみに適用されるのか法定更新にも適用されるのかは契約書の内容・判例によって異なります。
返し方
「法定更新後の更新料について、特約の文言を確認させてください。法定更新後に更新料が発生するかについては、特約の文言と判例上の解釈を踏まえて確認したいと思います。」
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