鍵交換代を払ったが本当に実施されたか確認する方法:実施証明書類の請求と照合
鍵交換代を請求・支払いしたにもかかわらず、実際には鍵が交換されていない、または同じシリンダーに付け替えただけ(流用)のケースが指摘されています。費用の正当性を確認するには「実施した証拠」を業者に求めることが重要です。
結論:実施証明(業者名・実施日・鍵番号)を書面で求める
鍵交換代を払った場合、実際に交換が行われたことを確認できる書類の提示を求めることができます。提示できない場合、交換が実施されていない可能性の記録として機能します。
1. なぜ実施されていないケースが起きるか
鍵交換代は初期費用として請求されますが、実際の施工は入居前後に行われます。 業者が費用を受け取ってから施工を手配するまでの間に確認が途切れるため、 以下のようなケースが発生します。
2. 請求すべき実施証明書類の3点
交換業者の作業報告書または領収書
業者名・実施日・作業内容が記載されたもの。入居日前の日付であることが重要です。実施日が入居後であれば入居前に交換されていないことになります。
交換後の鍵のシリアル番号(鍵番号)
受け取った鍵に刻印されているキー番号と、交換記録の番号が一致するか照合できます。番号が提示されない場合、どの鍵に交換したか第三者が確認できません。
交換前後のシリンダー型番
同型番のシリンダーへの「流用」(実質的に鍵交換をせず前の鍵も使える状態)でないことを確認できます。メーカー・型番が変わっていない場合は実質的な交換が疑われます。
3. 確認のタイミング
入居前が確認しやすい
入居後は「自分が使っているうちに傷がついた」という話になり、交換前後の状態が比較しにくくなります。 鍵の受け渡し前・入居前に「入居前に交換されたことを確認できる書類を提供いただけますか」と 伝えるのが最も確認しやすいタイミングです。
入居後でも確認は可能です。「鍵交換代として支払いましたが、実施を確認できる書類をいただいていません」 と書面で業者に依頼してください。
4. 書類が出てこない場合の対処
書類の提示を求めたにもかかわらず、業者が提示できない・しない場合、 その状況自体が記録として機能します。
①依頼内容と日付をメールで残す
「○月○日付で施工証明書類を依頼した」という記録を書面(メール・内容証明)で作ります。
②消費生活センター(188)に相談する
費用の支払いを受けたにもかかわらず証明書類を提示しないという状況を相談できます。あっせんの材料になります。
③宅建行政に申告する
施工実態のない費用受領は宅建業法上の問題として都道府県の宅建行政窓口に申告できます。
5. 業者の返しパターンと対処
「「交換は実施しています」」
「ご確認ありがとうございます。実施日・業者名・交換後の鍵番号を記載した書類を書面でご提供いただけますか」と依頼します。
「「書類は発行していません」」
「施工業者の名称・実施日・鍵番号を書面でご確認いただけますか。費用の対価として実施したことの確認材料が必要です」と伝えます。
「「そういった書類はありません」」
書類を提示できないこと自体を記録します。「書類の提示が難しいとのご回答として承りました」とメールで確認し、消費生活センターへの相談材料にします。
6. 参考:関連する判例
東京地方裁判所 平成21年9月18日判決(RETIO78号掲載)
鍵交換特約の有効性について、①広告に借主負担の記載、②重要事項説明書への記載、 ③賃貸借契約書への記載、④口頭での説明の4要件が揃っているとして有効と判断した事例。 逆にいえば、これらの要件のいずれかが欠けている場合は特約の有効性が問われ得ることを示しています。
参考・出典
- 1.「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について(再改訂版・平成23年 / 鍵交換の取扱い) — 国土交通省 住宅局
- 2.宅地建物取引業法 第35条(重要事項説明義務) — e-Gov 法令検索
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